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[Advanced Level] Listening & Reading Comprehension – Exercise 06

世界経済総予測2017

日米は期待先行のトランプ相場に沸く一方、新興国はマネー流出、欧州は政治不安定化から先行きに不透明感が漂う。不確実性高まる2017年世界経済を展望する。

 

中国の招商銀行が、12月中旬に売り出したドル建て年利2.37パーセントの理財商品は60秒で完売。米大統領選後のドル高・人民元安を受けて、中国で人民元からの資本逃避が加速している。リアルな金融商品ばかりではない。仮想通貨のビットコインにまで殺到している。11月の世界のビットコイン取引高は過去最高を更新した。それに貢献したのが、中国マネーだった。中国にはビットコインの大手取引所が三つあり、世界取引量の9割以上を占める。11月の取引高は、1億7471万ビットコイン(約16兆円)に達し、これまでの過去最高だった3月の1億4856万ビットコイン(約14兆円)を上回った。

 

人民元相場は12月に入って1ドル=6.9元台後半と、8年7ヵ月ぶりの安値をつけた。元安を加速させたのは、11月の米大統領選でのトランプ氏の勝利だ。同氏が公約に掲げた大型減税や巨額インフラ投資に期待が集まり、米国経済が活性化するとの思惑から、中国も含めた世界中のマネーが、米国株式市場に流れ込んでいるのである。

 

三井住友アセットマネジメントの渡辺調査部長は「トランプ氏の勝利後、世界の資金フローは大きく変化した」と話す。図1は、トランプ政権誕生が決定した直後の2016年11月10日~12月14日の、世界各国・地域の株式・債券ファンドの資金流出入額だ。米国の金融商品調査会社のデータを基に渡辺氏が分析した。

 

米国の株式市場には、1ヵ月余りで600億ドル(約7兆円)もの資金が流入。渡辺氏は「積極的な財政政策が取られるという期待が高まり、トランプ氏の掲げる「強いアメリカ」に資金が吸い寄せられているように見える」と指摘する。

 

金利上昇(債券価格下落)、インフレの高まり予想から、米国内で債券から株式への大資金移動が起きる一方で、ドル金利上昇(ドル高・自国通貨安)を見越し世界中からマネーが米国に向かっているのである。投資家はこれまでの低成長・超低金利持続を前提とした運用スタンスの見直しを迫られた。

 

日本でもファンド経由では流出となっているものの、東京市場では外国人投資家が、米国大統領選の結果が出た11月週2週目以降、5週連続(累計3兆円超)の大幅な買い越しに転じた。また、ファンド経由でも足元では流入超になっている。

一方で中国のほか、マレーシアやインドネシアなどマネーが吸い取られた新興国は通貨安にあえぐ。

 

急激な資金流出は通貨安、インフレを招き、実体経済をむしばむ。通貨安が止らず、それが連鎖するような事態になれば、1990年代後半のアジア通貨危機の再来となりかねず、「ブラックスワン(めったに起こらないが、発生すると大きな悪影響が出る事象)」を警戒する声もある。


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英国の欧州連合(EU)離脱や、ドイツ・フランスで相次ぐテロといった政治・社会問題を抱える欧州からは債券資金が大量に流出した。欧州中央銀行(ECB)による金融緩和は継続しているが、景気は上向かず手詰まり感が漂う。シリアなどからの移民難民問題も影を落とす。これらの問題に既存政党が解決策を示せず、大衆の不満が高まる中、2017年の「選挙イヤー」を迎える。

 

仏大統領選(4~5月)で極右政党・国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン党首が有力候補となるなど、移民排斥や反グローバリズムを掲げる勢力が台頭している。大和総研ロンドンリサーチセンター長は「政治家はもはや理念や理想を語る余裕はない。移民問題や経済政策への不満を本音でぶちまけないと、支持を集められないからだ」と逼迫した現地の様子を語る。

 

2016年は英国のEU離脱や米大統領選で、エスタブリッシュメント(既成勢力)を否定し、大衆の不満と不安を取り込むポピュリズムが台頭した。2017年は各国で国民の分断と反逆の動きがさらに加速し、反グローバリズムが先鋭化するのだろうか。大きな分岐点にある。

 

SOURCE: Weekly Economist (週刊エコノミスト)

NEW WORDS:

先行 (senkou): preceding, leading

相場 (souba): speculation, estimation

新興国 (shinkoukoku): emerging nation

流出 (ryuushutsu): discharge, outward flow

先行き (sakiyuki): the future, future prospects

不透明感 (futoumeikan): sense of uncertainty

漂う (tadayou): to drift, to float

展望 (tenbou): outlook, prospect

招商銀行 (shoushouginkou): China Merchants Bank​

理財 (rizai): finance, economy

完売 (kanbai): selling out, being sold out

人民元 (jinmingen): Chinese Yuan

逃避 (touhi): escape, evasion

仮想 (kasou): imagination, virtual

殺到 (sattou): rush, flood

取引高 (torihikidaka): volume of business

更新 (koushin): renewal, update

上回る (uwamawaru): to exceed, to surpass

大型 (oogata): large-sized, large scale

減税 (genzei): tax reduction

巨額 (kyogaku): great sum

活性化 (kasseika): activation, stimulation

思惑 (omowaku): expectation, anticipation

株式 (kabushiki): stock

債券 (saiken): bond

指摘 (shiteki): pointing out

金利 (kinri): interest rate, interest

上昇 (joushou): rising, ascending

下落 (geraku): decline, fall

持続 (jizoku): continuation, lasting

前提 (zentei): preamble, assumption

累計 (ruikei): cumulative total

喘ぐ (aegu): to suffer, to struggle

連鎖 (rensa): chain, chaining

再来 (sairai): return, coming back

事象 (jishou): event, phenomenon

警戒 (keikai): caution, alertness

離脱 (ridatsu): separation, breakaway

緩和 (kanwa): relief, mitigation

上向く (uwamuku): to improve

手詰まり (tezumari): deadlock

移民 (imin): immigration

難民 (nanmin): refugee

既存 (kizon): existing

排斥 (haiseki): rejection, expulsion

台頭 (taitou): gaining prominence

本音 (honne): real intention, motive

支持 (shiji): support, backing

逼迫 (hippaku): pressing crisis

既成 (kisei): established, completed

分断 (bundan): dividing into parts

反逆 (hangyaku): treason, rebellion

先鋭 (sen’ei): acute, sharp

分岐点 (bunkiten): crossroads, division point


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