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[Advanced Level] Listening & Reading Comprehension – Exercise 10

アニメーションスタジオ・TRIGGERのクリエイティヴを支えるもの

TRIGGERはスタジオとしてはまだ5年半ほどの歴史しかない、若いアニメスタジオだ。この特集ではこれまでの作品や、放送中の「リトルウイッチアカデミア」の制作などを通して、彼らの作り手としての魅力に迫っていく。その前に、なぜTRIGGERにクリエイティヴな魅力を感じるのか、その背景にあるものを考えてみたい。

 

TRIGGERの特徴の一つは、スタッフの半数以上が実力あるアニメーカーで構成された「絵描き」の集団であること。そして、日本のTVアニメで何十年もかけて発展してきたリミテッド・アニメーションの手法を現代的なアニメでも受け継ぎ、取り入れているということだ。

そもそもアニメーションとは、静止画を連続して撮影することで生み出される映像のこと。その中で、日本のアニメーションの一つの流れとして「あえて動くコマ数や要素を減らしても、豊かに動いて見えるように描く」ことや、「視覚的な緩急をつけることでダイナミックに見せる」という手法が発展してきた。

 

分かりやすい例を一つ挙げるならば、TRIGGERのTVシリーズ第1作目「キルラキル」で大胆に用いられている、パンニングと組み合わせたハーモニー(作画に背景美術を重ねる絵画的な止め絵の手法)などは、往年のアニメファンならば「あしたのジョー2」や「ベルサイユのばら」などを思い出す人もいるだろう。滑らかなアクションからハーモニーに移ることで、強いインパクトを残るシーンになる。

映像の中でいかにアニメならではの省略や演出、グラフィカルな挑戦ができるか。そうした要素が盛り込まれたTRIGGERの作品からは、彼らもまたアニメ(と、それを長年作り上げてきた人々の)ファンであり、アニメ独自の表現を面白がっているのが伝わってくる。

 

さまざまなアニメに影響を受けて吸収し、並々ならぬ作画へのこだわりを持つ今石洋之や吉成曜といったベテランを中心に、アニメーカーは描く技術を磨く。さらにそこに現代的なデザインセンスであったり、映画、漫画、アメコミなど別ジャンルのものからの影響も取り入れながら、アニメ独自の良さを生かした絵づくりを心がけているスタジオと言える。

 

しかし、アニメーカーが中心をなすスタジオとはいえ、作画だけでアニメが完成するわけではないし、また、彼らの表現したいことが作画だけで完結できるわけでもない。TRIGGERの手がける作品では、必要に応じて3DCGや新たな映像技術取り入れながら制作が進められている。それには、TRIGGERの会社的な環境、ウルトラスーパーピクチャーズというグループの存在にも注目しておきたい。

 

ウルトラスーパーピクチャーズとは、オリジナルフル3DCGアニメ「ブブキ・ブランキなどCGによるセルルックアニメーションを特異とするサンジゲンと、それをアニメを越えた枠組みへと展開するギャラクシーグラフィックス。「ブラックロックシューター」「WakeUp,Girls!]を手がけるOrdetに、「アルスラーン戦記」などを制作するライデンフィルム、そしてTRIGGERの5社からなるグループだ。うち、アニメスタジオ4社はそれぞれが得意分野や作風を持つ自立したスタジオであり、その力を必要とする時にはグループ内で協力し合うこともある。


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例えば、TRIGGER作品では「キルラキル」の3DCG・撮影、「宇宙パトロールルル子」の撮影のほか、放送中の「リトルウイッチアカデミア」の撮影もサンジゲンが担っている。異なる技能を持った人たちが同じ建物にいるという物理的な近さも、お互いの表現域の拡大や、クオリティの追求につながっていることだろう。

 

TRIGGERの独自性は絵的な表現にもあるが、スタジオ自ら企画・原作を手がけるというスタイルにもある。映画作品ならいざ知らず、TVアニメの制作において、精力的に原作を手がけるアニメスタジオというのは珍しい。立ち上げからの5年半で、TVシリーズに限っても「キルラキル」「キズナイーバー」「宇宙パトロールルル子」「リトルウイッチアカデミア」と四つものオリジナル作品を世に出している。

 

その背景には、同じように原作作品を精力的に手がけるGAINAXに在籍し、「天元突破グレンラガン」などのオリジナル作品に携わったメンバーがスタジオの中核を成しているのもあるだろう。

しかし企画・原作からとなると、その世界観、物語、魅力的な登場人物たち…と、描き出さなければいけないことが膨大にあり、時間も労力もかかる。それでもこのスタイルを貫く姿勢は、「自分たちがアニメとして何を打ち出したいか」に対して意識的だと見ることもできるし、作りたいものを作る」という、ただ単純でまっすぐな気持ちを貫いているだけの可能性もある。

 

いささか真面目な話をしてきたが、彼らの作品を見て感じるのは、まさに「清々しいまでに、思い切ったことを堂々とやっている」ということだ。作画力を磨き、新たな技術も取り入れ、作りたいアニメを考える。そして「自分たちが面白いと思うものを、思いっきりやる」。

 

SOURCE: 月刊MdN

NEW WORDS:

作り手 (tsukurite): maker, builder, creator

背景 (haikei): background, circumstance

手法 (shuhou): technique, method

受け継ぐ (uketsugu): to inherit, to succeed

取り入れる (toriireru): to adopt (idea)

静止画 (seishiga): still image

撮影 (satsuei): filming, shooting

視覚 (shikaku): sense of sight, vision

緩急 (kankyuu): pace, tempo

大胆 (daitan): bold, daring

組み合わせる (kumiawaseru): to join together, to combine

作画 (sakuga): drawing pictures

美術 (bijutsu): art, fine arts

止め絵 (tomee): still image

往年 (ounen): former years

滑らか (nameraka): smooth, trouble-free

省略 (shouryaku): omission, abbreviation

演出 (enshutsu): production (play), direction

盛り込む (morikomu): to include, to incorporate

独自 (dokuji): original, unique

並々ならぬ (naminaminaranu): extraordinary, uncommon

拘り (kodawari): obsession, fixation

心がける (kokorogakeru): to bear in mind, to aim to do

特異 (tokui): unique, peculiar

枠組み (wakugumi): framework, outline

展開 (tenkai): development, unfolding

作風 (sakufuu): literary style

自立 (jiritsu): independence, self-reliance

追求 (tsukyuu): pursuit, chase

クオリティ: quality

自ら (mizukara): oneself

企画 (kikaku): planning, design

原作 (gensaku): original work

手がける (tegakeru): to handle, to manage

精力的 (seiryokuteki): energetic, vigorous

立ち上げ (tachiage): starting up

在籍 (zaiseki): enrollment

突破 (toppa): breaking through

携わる (tazusawaru): to take part in

中核 (chuukaku): core, center

登場人物 (toujoujinbutsu): character

膨大 (boudai): huge, vast

労力 (rouryoku): labor, effort

貫く (tsuranuku): to pierce, to penetrate

姿勢 (shisei): attitude, approach

清々しい (sugasugashii): refreshing (feeling)

堂々 (doudou): boldly, confidently


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